Act.21「症例検討会」定期勉強会2017.1.10
皆様こんばんは。杉浦将太です。
遅ばせながら第23回Action定期勉強会は症例検討会を実施しましたので、ご報告いたします。
症例様は透析適応レベルと言われながら本人様の強い意志で拒否され続け透析を実施されないまま1年以上経過し、今回L2圧迫骨折を受傷された患者様です。その他にもたくさんの既往歴をお持ちで、基礎疾患の多い患者様でありました。
その患者様の主疾患である第2腰椎圧迫骨折の治療期間である1ヶ月間の介入による在宅復帰へ向けた、運動負荷量やリスク管理に関して検討会を行いました。検討項目は以下に挙げます。
今回の症例様の経過になります。多くの既往歴を抱え、膀胱癌を中心に腎機能が悪く、末期腎臓病を抱えられておりました。
今回は起き上がり時に腰痛が出現し、第2腰椎圧迫骨折を受傷されました。当院の脊椎椎体圧迫骨折への治療方針としましては、1ヶ月間のギプス固定・入院治療の後、厚生コルセットへ変更し退院という運びとなります。そのため、1ヶ月間の介入期間がありました。
その患者様の初回病室での評価結果です。
初回評価時には尿素窒素(BUN)、クレアチニン(Cre)の値の高さはもちろん、高血圧やSpO2の低さ、そしてG-up30°の時点で拒否がありそれ以上の動作を拒まれてしまいました。
そんな中、元々のADLである夫の軽介助レベル程のADLの獲得や和式生活を修正するための住宅調整など行っていく必要がありました。
結果として、入院から18日目で自宅復帰のための準備が整いましたが、胃腸炎もあり体調を崩され、転院の運びとなってしまいました。
最終的には、
・Cre値の上昇
・体重上昇
・尿量減少
などが現れ、リハビリ職として何かもっと考えることができなかったかを話し合いました。
そうした中で、
・心不全の増悪の可能性
・病院特有のやり方が浮き彫りになったこと
・多職種との連携について
など、いくつかの病院のスタッフが混じって話すからこそできた討論もすることができました。
1つの病院に在籍していると当たり前の事も、外を知る事で気づかされる事が多くありました。
改めて、自分が見えている部分だけではなく、他者から気づかされる見えていなかった部分を知る事で、
これから自分が想定できる部分をいかに増やしていくかが大切だと思いました。
臨床場面において、例え同じ事をやっていても、
「もしかしたらこうなるかもしれない」と睨んでいてやるのとなんとなくやるのでは大きく違うと思います。
そうした知らない見えていなかった部分を知るためにもこうしたざっくばらんに話せる勉強会は非常に有益だと思います^^
ぜひ一緒に意見交換してくれる方、ご連絡いただけますと幸いです。
Act.20「フィジカルアセスメントー復習会ー」 定期勉強会2016.12.13
こんばんは。
佐藤大造です。
第22回ActionのSkype勉強会の
報告をします。
今回は、12/2に講演していただいた、
「フィジカルアセスメント」
の復習会を
発表させて頂きました。
その内容を報告致します。
講演内容のポイントを
ピックアップして
書かせて頂きますので、
よろしくお願いします。
なぜアセスメントが重要か?
など既往歴の書き方が
曖昧な場合が多いと思います。
また、呼吸・循環器疾患は
不整脈や冷感など
目に見えないことが多いです。
そのため、見える形で
評価することが大事となります。
循環器・呼吸器に有効な
アセスメントとして、
一般的に血圧、心拍数、呼吸数、体温
が挙げられます。
今回は、血圧・呼吸を評価する際の
重要なポイントのみ
記載させていただきます。
血圧
血圧測定の際のポイントとして、
・測定は基本的には同肢位で測定する
・心機能低下患者に対しては、
左上腕で測定した方が良い
といった点がポイントになります。
では、心機能が低下した患者が
なぜ左上腕で測定した方が
いいのでしょうか?
心臓から出た上行大動脈が
大動脈弓で分岐し、
左上腕へと向かうまで、
分岐が3回あることは
図を見て頂くと分かると思います。
右と左で分岐する回数が
異なることで、右より左の方が
血圧が低いことが多く、
心機能低下患者の血圧測定の際に
指標となることがあります。
呼吸
呼吸に関してですが、
呼吸のアセスメントとして
呼吸数・休止期・強弱・音の性質・音の高低
など様々あります。
その中でも、休止期を見ることが
非常に重要です。
一般的に吸気終末に
休止期(ポーズ)があります。
休止期の特徴としては、
「喋れない」ことが多いそうです。
評価の一つの知識として
得ておく必要性はありそうですね。
また、呼吸を止めていても
肩は動いてしまうことが多いため
肩の動きだけではなく頸部・胸部の動きで
呼吸の評価をすることが重要です。
そして、その他にも
パルスオキシメトリー、チアノーゼ、
貧血、浮腫、脱水
など様々な評価の指標があります。
パルスオキシメトリー
そもそもパルスオキシメトリーとは、
血液の赤い光を感知していることが重要です。
動脈血の中のヘモグロビンは
酸素を運ぶため、鮮紅色となります。
そのため、冷えなどの末梢循環不全や
静脈怒張の亢進による静脈血の拍動の誤感知
など、測定結果には影響する因子があります。
22枚目
重要なのは、
「末梢にどれだけ酸素を運搬できているか」
と言うことですので、数字のみで判断せず、
測定結果が何を表しているかを
しっかりと考える必要があります。
チアノーゼ
チアノーゼとは、
血液中の青色色素(還元ヘモグロビン)の絶対量
が2.38g/dlまで蓄積すると出現します。
つまり、血液中のヘモグロビンは
一定量含まれていますが、
酸素と結合しているヘモグロビンの量が
少ないということです。
メラニン色素が少ない部位である
口唇、鼻、頬、耳、手指、足尖
などに観察されます。
貧血
貧血とは、循環赤血球数の異常であり、
失血、溶血、造血機能の低下
が関与しています。
貧血と立ちくらみをよく一緒にしてしまう
人が多いと思いますが、
定義としては全く異なるため、
その違いを理解する必要があります。
貧血の定義としては、
血液中のヘモグロビン濃度が
減少している状態のことです。
そのため、体温低下や末梢循環不全
などの症状が伴いません。
貧血の評価部位としては、
顔面・爪・手掌・舌などがあります。
血中のヘモグロビン濃度が減少すると、
顔面・爪・手掌・舌
が赤くなくなり白く見られます。
また、黒人の人の手掌も、
白人と同じで白いことが
特徴として言われております。
これは、手掌や足底などは
メラニン色素が少ないことが
理由であるそうです。
そのため、人種に関わらず貧血症状の評価として
手掌を見ることは良い指標であると言えますね。
上記のチアノーゼと貧血の関係性ですが、
貧血状態ではチアノーゼ反応が
出にくいと言われています。
貧血ではヘモグロビン濃度自体が
低下するため、還元ヘモグロビン濃度も
貧血では低下してしまい、
チアノーゼ反応は見られにくくなる
ことがその理由です。
脱水
また、脱水は夏に起こるイメージが
ある人も多いと思いますが、
冬こそ脱水に注意する必要があります。
その理由として、外気が乾燥すると、
不感蒸泄(皮膚、粘膜、呼気などから
意識しないうちに失っている水分)
が増え、いつの間にか水分が
失われていることが多いです。
喉が渇かずに水分の摂取量も
少なくなるため、冬の脱水は
起こりやすいです。
”冬→乾燥→脱水→脳梗塞”
のケースも多く見られるため、
冬での脱水は注意する必要があります。
まとめ
・急性期はもちろん、
正確に行う必要がありますが、
既往歴が曖昧で症状が安定している
と思われがちな回復期や生活期では
特に、しっかりとアセスメントを
することが重要
・患者さんの言葉に隠れている
症状の1つ1つを丁寧に整理する
ことが必要です。
「今日は何か調子が悪い」
という言葉の意味をしっかり
評価することが大切です。
文責:佐藤大造
Act.18「Pusher Syndrome」定期勉強会2016.11.27①
ご無沙汰してます。河内です。
先日、第21回Skype勉強会を行いました。
最近加わった田中と私の発表でした。
自分の発表をまとめたいと思います。
『Pusher Syndrome』
皆さんは見たことあるでしょうか? いわゆるこんな人ですよね。笑
今回、「Pusher Syndrome」について
1)なぜこのような状態になるのか、
2)このような人に対してどのように介入していくべきなのか、
3)そもそも私たちの姿勢制御はどのようになっているのか、
といった3つのテーマで話を進めました。
1)なぜこのような状態になるのか。
そもそもの疑問ですよね。今回は脳の機能解剖を中心に概要を簡単にまとめました。
簡単に言うと、
「視覚と体性感覚のマッチングの障害」
「空間に対しての自己の姿勢定位の障害」
ではないでしょうか。
マッチング、姿勢定位=統合と考えていくと、
頭頂葉の存在がポイントになるのではないでしょうか。
上記のような機能を持っていますよね。
外部環境から得られる様々な情報(視覚、体性感覚、聴覚など)を統合し、
抽象化させたり、自身と外部環境の状況を認知させます。
前者の抽象化は、脳がとても効率良くできていることを象徴しているのでは
ないでしょうか。具体的なもので情報を貯蔵しておくと量が多すぎてしまい、
パンクしますよね。
下記のように脳(主に頭頂葉)の中では情報を貯蔵していると思われます。
(例:馬 左図;具体化 / 右図;抽象化)
少し話が逸れましたが、
今回のPusher Syndromeにおいては後者の自身と外部環境の状況の認知が
重要になってくるのではないでしょうか。
自分が外部環境の中で傾いていることがわからないから『押しちゃう人』になる。
考えられそうですよね。しかし、明確なメカニズムは解明されておらず、
責任病巣についても様々な報告が出ています。
(メカニズムは、
"second graviceptive system"の障害説
が有力と言われているみたいです。
また、責任病巣においては、
視床(特に後外側核)、島皮質後部、中心後回皮質
が多いみたいです。)
2)どのように介入すべきなのか。
簡単に言えば、押さなくてもいいことを知ってもらいたいです。
急に半身麻痺になったことにより、身体の使い方がわからないため、
使える部分を力一杯に使った結果かもしれませんし、
麻痺側の感覚が入力されていないが故の結果かもしれません。
メカニズムがそもそも明確になっていないため、言い切れません。
そのため、
壁などにもたれてもらい、力一杯に使っている部分を脱力してもらうことも一つの
方法と考えられますし、教科書などで目にする鏡や点滴棒の使用も活用すべきと
思います。
3)私たちの姿勢制御はどのようになっているか?
脳の機能解剖や触れ方、考え方の話をしましたが、そもそも私たちって
どうして押しちゃう人にならずに座れるのでしょうか。
つまり、
どのようにして私たちは座っていると認知しているのでしょうか。
Pusher Syndrome=脳の機能解剖学的な障害
→情報の統合ができないから押しちゃう
それでは、私たちの介入の糸口がなくなっていくだけですよね。
そのため、いくら統合の障害と言われていても
座っているという情報を何らかの形で入力していくことも大切と思います。
これは一例です。まだまだ考えられると思います。
皆さんも是非、考えてみてください。
そして、これらの情報は、
これら3つの情報を元にしていると考えます。
一例として体性感覚情報を紹介します。
体性感覚の中でも深部感覚、特に足部周辺の筋や腱ってとても重要です。
これらの受容器に情報が入力されてから姿勢制御(姿勢応答)が起きるまでの
時間は0.1秒と言われています。
つまり、とても繊細な姿勢制御に関わっているの部分ですよね。
脳血管障害によって、二次的に筋肉が硬くなった状態では、
そもそもこれらの受容器が上手く作動しませんよね。
憶測になりますが、上記のような二次的障害がPusher Syndromeを
助長しているかもしれませんよね。
今回は、Pusher Syndromeというキーワードを元に
1)簡単な脳機能解剖について
2)考え方、関わり方の注意点について
3)そもそもの姿勢制御や姿勢について
をまとめました。
このような専門性の強い知識もさらに深めて、経験を積んでいきたいと思います。
随時、アップデートしていきたいですね。
改めて自分自身がなぜ座れているのかなど考えてみると面白いですね。
以上、最後まで読んでいただきありがとうございました。
文責:河内浩希
Act.17 「栄養とリハビリテーション」 定期勉強会 2016.11.11②
皆さん,こんばんは。吉川です。
今回、栄養とリハビリテーションという内容で前回の発表の続きを伝達しました。
内容は前回の復習と、
「PTとして、できること」の続きとして、
「定期的に栄養をアセスメントする」、
「管理栄養士(Registered Dietitian:RD)との連携」
を伝えました。
はじめに、「定期的に栄養をアセスメントする」では、
「身体所見」、「食事について」、「血液所見」、
「栄養評価表」、「FIM」
について説明しました。
身体所見は、PTとして把握しなければならない評価であると考えます。
定期的に評価することで、現在の栄養状態をDr、Nrs、RD等に報告することができます。
また、他職種と共通した話しをするためにも専門性を高める必要があります。
続いて、食事についてPTとして患者さんと関わる機会の多さから、
食事の嗜好を聞くことができると考えます。
食事が全く食べられない患者さんが、リハビリの先生になら話してもいいか、と言ってくれるかもしれません。
そこで食事の嗜好を聞き、そこから
食事摂取量の増加、必要エネルギー量の摂取
につなげることができる可能性があると考えます。
リハビリの休憩時間に食事の話しをすることも、一つのきっかけです。
血液所見では、ALBとCRPを中心に伝え、低栄養の評価と脱水との関わりについて改めて考える機会がありました。
脱水の病態を正確に理解していないと、栄養状態の把握はできません。
一つ、一つの基礎知識を再度見直すきっかけになりました。
続いて、RDとの連携についてです。
実際に当院のRDに実際に話しを聞き、お互いの職種について感じていることを伝えました。
当院のRDはPT、OTとの連携が少ないと感じており、
実際のリハビリの負荷量がわかりにくいとの意見がありました。
また、リハビリ職種としては、患者さんの身体評価ができるという専門性を生かして機能・能力などをDr、RDに相談し、食事を検討できると考えました。
最近、当院では管理栄養士さんがカンファレンスに参加するようになり、リハビリ内でも栄養について興味を持つようになり周囲の意識変化を感じています。
お互いの職種の専門性を高めて、密に連携することが、リハビリテーション栄養についての質の高い話し合いができると考えます。
今回、自分が伝えた部分は本当に基礎ですが、説明して曖昧な部分が多く、
なぜ、その評価が必要か、それにより患者さんにどのようなメリットがあるのか、
今の知識では不十分だと感じました。
今後、継続して栄養について勉強します。
次回は、当院でのNSTと症例紹介をしたいと考えています。
文責:吉川貴敏
Act.16「ストレス:セラピストへの応用」定期勉強会 2016.11.11①
こんにちは。理学療法士の今井です。
最近、自分が臨床を行っている中で具体的に考えれば考えるほど患者のことがわからなくなり、勉強会行ってはあの手技・この手技を試す毎日でした。
そこで、ある人から教わった「抽象的に考える」という言葉に救われた経緯があり、今回スライドにまとめてシェアしてみました。
抽象的に捉えるキーワードは「ストレス」です。
●ストレスには辞書により様々な説明の仕方がありますが今回はハンス・セリエ博士の「ストレスとは外部環境の外部刺激(ストレッサー)から刺激によって起こる歪みに対する非特異的な反応」で説明をしました。
●一般的に「ストレス」と言われると、自分以外のものから与えられる印象が強いと思いますが、それらの外的要因は全て「ストレッサー」です。
「ストレス」は自分の中より「ストレッサー」に対抗している状態を表しています。下の図はストレッサーの例です。
●「ストレス」は非常に抽象的でありイメージが湧きにくいと思います。
私の考えるストレスの視覚化をしてみましょう。
●「ストレス」は精神的要素・肉体的要素が存在します。
精神的要素がストレス容量を決め、肉体的要素が各種類として存在します。
しかし、ストレスは環境によって変化するため一定ではありません。
上図のように肉体的ストレスが溢れてきて、症状が出現してしまいます。
結果的に、身体のどこかに痛い場所や硬い場所が出現してしまいます。
つまり、肉体的・精神的ストレスを同時に取り除かなければいけません。
●しかし過去の私を含め、具体的ばかりに思考を張り巡らせていると筋膜に固執・関節治療テクニックに固執・・・結果・・・・
治療中患者はほったらかしの状態になってしまいがちです。
肉体的要素は骨だけでも200個以上、筋・神経・膜など莫大な量があり、関連性なども考えると可能性は無限大にも広がってしまいます。
とても入院期間だけで、見きれる数ではありません。
ですので、相手を抽象的に捉えること
つまり「ストレス」見ることが重要なのです。
●まずは患者を抽象的に見ること。
負のループをセラピストが患者と一緒に打ち破ること
そして患者をストレスに適応させることが重要です。
以上、今回発表した内容をまとめて見ました。
私自身、相手を抽象的に見ることは3ヶ月でなんとなく理解ができました。
今までの考え方を変えるのは非常に難しいことです。
ただ、抽象的に考えれれば、様々なことが圧倒的に楽になります。
次回またストレスに関することを発表しますのでよろしくお願いします。
Act.15「介護予防」定期勉強会 2016.10.24②
皆様こんばんは、杉浦です^^
第19回Actionでは、「介護予防」をテーマに
・介護予防では、何が求められているのかの再確認
・自分の取り組みのまとめ、今後の展開
について発表しました!
今、なぜ介護予防が必要なのでしょうか?
日本のおかれている現状としては、
・高齢化社会と人口減少社会
・借金大国日本
・特に増大する社会保障費
・平均寿命と健康寿命の乖離 etc
だからこそ、そもそも病気にならない予防医療であったり、
病気になっても支える医療が求められています。
介護予防の歴史を振り返ると、始まりは2006年。
費用対効果も悪く失敗に終わります..
私たちがダイエットをしなければいけないのに食事量を制限できないように、
高齢者も運動が必要な事はわかってるけどなかなか取り組めなかったようです。
その理由は、予防のための運動でしかなく、
高齢者の想いには目が向けれていませんでした。
結局のところ必要性を伝えて理解してもらえても、選ぶのは高齢者です。
では、どのように提供していけば継続して実施できるのでしょうか?
その1つの方法として推奨されているのが地域づくりとしての介護予防です。
地域づくりと聞くと難しく聞こえますが、
高齢者の生きがいにつながるような活動・参加を行っていくことで、
「気づいたら」予防になっていたという感覚が大切です。
そのため、日常生活や社会参加にいかに落とし込めるかがポイントだと思います。
介護予防事業を行っていく上で、一番重要になってくるのが「住民主体」です。
もちろん専門的な支援は行いますが、お願いして行う事業はほとんどが上手くいきません。
いきいき百歳体操を普及させるために以下のような支援体制をしていたようです。
住民に選んでもらい、あなたたちが本気なら私たちも本気だよというスタンスが大切です。
私は今..
自分の育ててもらった愛知県碧南市への恩返しをするために、碧南市のスローガンである
「健康寿命日本一を目指す街」
に向けて活動しております。
1人では何もできませんが、
こうして根付いてみるからこそ、ご縁に恵まれて活動できております。
例えば、
・市民活動団体への所属
・認知症サポーター講座への参加
・キャラバンメイトへの推薦をいただく
・月1回住民を巻き込んだカフェを計画
・カフェでの体力測定会の開催
・老人会との交流
・NPO法人との畑の運営
・小学校、デイサービスとの交流企画 etc
たくさんのご縁に囲まれて感謝でいっぱいです。
地域と関わりを持つようになり、意識している言葉があります。
"Fast alone,far together"という言葉です。
"1人だったら、速くできるし
仲間がいたら大きなことができる。 "
そう解釈しています。
私の場合、市民活動団体に所属し多くの提案をしてきました。
そうして1人で動けることを動いていくうちに 市の推薦をもらえるようになりました。
徐々に仲間ができ始め、体力測定には市役所職員も協力してくれました。
行政の理学療法士や看護師、県士会の理学療法士とも連絡をとるようになりました。
1人ではなく、仲間がいなければできないことばかりです。
今回新しく、田中が仲間に加わってくれました^^
共に切磋琢磨できる仲間がいること、非常に嬉しく思います。
みんないつもありがとう^^
Actionとして活動し始めて1年半が経ちます。
何をするにも「継続していくこと」が大切だと改めて思いました^^
これからもよろしくお願いいたします‼︎
Act.14 「高血圧と降圧剤」定例勉強会 2016.10.24 ①
再びこんばんは。竹内です。
今回で19回目を迎えたスカイプ勉強会、発表者は竹内・杉浦でした。
これからのブログ記事に関してですが、発表者自身が自分の発表内容をまとめたものをブログに掲載するという形にしていきます!
なので前回までと比べると内容をより詳しくお伝えできるかと思います。
それでは、宜しくお願いします。
私は「高血圧と降圧剤」というタイトルで発表しました。
⑴循環器総論
生理学の簡単な復習から。
心臓は割愛します。
腎臓に関しては、血圧の調整機構について厚めに。
腎臓による血圧調整機構は2つあります。
1つめは、、
塩分・水分濃度の調整です。
→浸透圧によって体液量を調整し、血圧を上下させる機構です。
2つめは、、
RASS(レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系)、
つまりホルモンによる調節です。
順序をまとめると、この通り。
1:アンジオテンシンがレニンによってアンジオテンシンⅠになる
↓
2:アンジオテンシンⅠがACEによってⅡになる
↓
3:アンジオテンシンⅡそのものによる血圧上昇+
アンジオテンシンⅡは副腎皮質からアルドステロンを発生させる
アルドステロンは尿細管でのNa再吸収を増加させ、体液量を増加→血圧上昇
以下、用語解説。
※アンジオテンシノーゲン
肝臓や肥大化した脂肪細胞から産生。
レニン
腎臓の傍糸球体細胞から産生。タンパク質分解酵素
アンジオテンシノーゲンをアンジオテンシンIに。
アンジオテンシン変換酵素(ACE)
細胞膜上や精巣から産生。
アンジオテンシンⅠをⅡに。
腎臓による血圧調整と一口に言っても、このように二つの別の機構が働いて調整が行われています。
⑵血圧変化のメカニズム
まず血圧は、「血管壁に与える血液の圧力」のことであり、上記のように心拍出量×末梢血管抵抗で表されます。
また、この二つは種々の要因によって上下します。
ここでの交感神経の活性化は副腎皮質からのカテコールアミン(アドレナリン・ノルアドレナリン)分泌に繋がることもあり、
このカテコールアミン自体が心拍出量・末梢血管抵抗を上げるとともに、
腎臓からのレニン分泌を促し、血圧上昇に寄与します。
また、この図のように血圧調整に関わるホルモンは多器官から分泌され、それぞれの役割を果たしています。
この表のように、血圧変化の反応はそれぞれの調節系が働く時間が違います。
例えば受容器の反射による血圧の調整は瞬間的ですが、腎臓の体液量調節やRAAS、抗利尿ホルモン(下垂体後葉から分泌)は数時間単位かけて血圧の調整をする形となっています。
⑶高血圧
ここでは高血圧を五つの項目に分けて紹介しました。
①疫学
まずは男女別・年齢別の血圧分布から。
高血圧と言っても本態性と二次的なものがあって、ほとんどが本態性です。
また、安静時血圧から分類がなされています。
☝️そこで質問です。なぜ、高血圧がいけないのでしょうか。
、、、それは、合併症があるからですよね。(当たり前か)
★高血圧の主な合併症
○腎障害(腎硬化症・CKDなど)
○糖尿病
これらのリスクが上がるといわれています。どれも命に関わるところですよね。
改善のためには生活習慣を正すことはもちろんですが、
多くの場合医師の処方のもと「降圧剤」が使われることになります。
降圧剤は大きく分けても片手では収まらないほど種類があり、日々新薬も出されています。
この中でも十分な降圧効果、エビデンスを有し、主に用いられる5種類
Ca拮抗薬・利尿薬・ARB・ACE阻害薬・β遮断薬は「主要降圧薬」と呼ばれており、この中でβ遮断薬をのぞいた4つは「第一選択薬」とされています。
当たり前ですが降圧剤それぞれには特徴があり、それぞれ適する患者の傾向であったり、疾患が存在します。
その他情報は以下にそれぞれ詳しく解説しました。
※作用機序が似たARB・ACE阻害薬、β・α遮断薬はそれぞれまとめて説明しています。
①Ca拮抗薬
・各種降圧薬の中で降圧効果が最も強力、かつ副作用が少ない。
→幅広い症例で第一選択薬として用いられ、合併症の有無に関わらず他の降圧薬と併用しやすい。
・血管拡張作用がある為、高齢者にも適する。
・糖・脂質・電解質代謝に悪影響を与えず、糖尿病や脂質異常症を有する症例にも有用といわれる。
・脳や腎臓などの臓器血流改善効果があり、脳卒中や腎臓病があっても有用。
・狭心症の既往のある患者に適している(元々狭心症のために開発されたそう)。
[副作用]
動悸、頭痛、ほてり感、
浮腫、歯肉肥厚、便秘など
[作用機序]
そもそも、筋肉の収縮には筋小胞体へのカルシウムイオン流入が必要です。
Ca拮抗薬は、血管平滑筋においてその流入を阻害することで、血管平滑筋の収縮を弱め、末梢血管抵抗を減少させます。名前そのままですね。
Ca拮抗薬は主にジヒドロピリジン系が用いられており、これらは末梢血管に作用し血管を拡張。心臓に対してはほぼ作用しない”血管選択性”を有しています。
また、長時間作用型(1~2回/日)と短時間作用型(3回/日)に分かれます。短時間作用型の方が副作用が急激に見られるリスクがあるなどの面から長時間作用型が主に用いられています。
②利尿薬
・腎臓の機能単位であるネフロンの尿細管や集合管に作用し、体内のNaと水分の排泄を促進し、体液量(血液量)を減らすことで降圧する仕組み。
・夜の服用は利尿が睡眠の妨げになるため、1日1回朝に服用するケースがほとんど。
・用量調節が重要であり、過剰投与による副作用や長期予後を考慮し、他の降圧薬に少量併用投与することが望ましいとされている。
1)サイアザイド系利尿薬
・遠位尿細管でのNa+/Cl-共輸送体を阻害し、Na+再吸収を抑制。
・遠位尿細管でのNa+-Ca2+交換が阻害されるため、Ca2+の保持に働く。
・利尿薬の中では強い降圧効果。
・低カリウム血症や糖、脂質、尿酸の代謝に注意が必要。腎機能低下時の効果は乏しい。
(2)ループ利尿薬
・ヘンレ係蹄上行脚のNa+/K+/2Cl-共輸送体を阻害し、Na+とK+の再吸収を抑制。
これに伴い、尿細管細胞間を通してCa2+とMg2+の再吸収も抑制される。
・腎血流量や糸球体濾過率の減少に影響を与えないため、腎障害がある高血圧患者に使用可能。
⑶カリウム保持性利尿薬・アルドステロン拮抗薬
・いずれもK+排泄への影響を与えずにNa+排泄が可能→低カリウム血症の心配なし。
降圧作用は3種のうち最も弱い。
<カリウム保持性利尿薬(トリアムテレン)>
遠位尿細管、集合管のNaチャネルを抑制し、Na+再吸収を促進、K+の排泄を抑制する。
<アルドステロン拮抗薬(スピロノラクトン、エプレレノン)>
アルドステロン受容体を阻害し、Na+排泄を促進。また、結果としてK+の排泄を減少させる。
(アルドステロンはアルドステロン受容体と結合し、Na+の再吸収を促進)
[副作用]
<サイアザイド系利尿薬>
低K血症・低Mg血症、耐糖能低下、高尿酸血症など
<ループ利尿薬>
サイアザイド系利尿薬と同じ副作用+脱水、膵炎、発疹など
③ARB/ACE阻害薬
◉アンジオテンシンⅡの受容体(特にAT1受容体)を直接阻害し昇圧系を抑制
<ACE阻害薬(アンジオテンシン変換酵素阻害薬)>
◉レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系(昇圧系)を阻害
◉カリクレイン-キニン-プロスタグランジン系(降圧系)を促進
・軽症高血圧患者に適する。
ACE阻害薬の一部で、腎臓や心臓、血管、脳などの臓器保護作用が認められている
→糖尿病、蛋白尿、心不全、心筋梗塞の既往、脳循環不全などを有する患者に適する。
・降圧効果はARB≧ACE阻害薬
さらにARBの方が副作用はより少ない。日本ではARBはCa拮抗薬に次いで使用されている。
・インスリン感受性の改善効果もある(ARB≦ACE阻害薬)
・ARBは利尿薬やCa拮抗薬と併用される場合が多いことから、配合剤が発売されている。
ARB↓
ACE↓
ARBの配合剤↓
・配合剤は初期投与では過度降圧のおそれがある。
単剤あるいは2剤併用から開始し、用量を固定したうえで配合剤へ切り替える
(高血圧治療ガイドライン2014で推奨)保険適応上、第一選択薬とはなっていない。
④β遮断薬、α遮断薬、αβ遮断薬
心臓や血管の収縮に関わる交感神経への作用を遮断して降圧する
β遮断薬
・心臓の動きが活発な若中年者、頻脈傾向、虚血性心疾患等、
心臓を興奮させてはいけない人にも向く
α遮断薬
・前立腺肥大症に伴う排尿障害のある患者に有用
(α1受容体が前立腺に多く分布している為)
・糖や脂質の代謝を改善する為、糖尿病・脂質異常症にも有用
αβ遮断薬
・糖・脂質代謝への悪影響を与えにくい。若年、中高年、褐色細胞腫にも有用
その他にも色々ありますので、一覧だけ載せておきます。
●中枢性交感神経抑制薬(中枢性α2アゴニスト)
●血管拡張薬
●直接レニン阻害薬
●末梢性交換感神経抑制薬(ラウオルフィア剤)
●循環改善薬
詳しくは説明しませんが、多くの場合が名前そのままです。笑
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「高血圧」と「降圧剤」についてお話しさせていただきました。
高血圧はもちろん良くないことですが、単純に「血圧が高いから良くない」ではなくて、
高血圧が本質的には何を意味しているのかを知ることも一つかと思います。
降圧剤に関しても、各作用機序だったり、薬剤の名前をパッとみて、大きなくくりではどの種類なのかくらいは知っておいてもいいかと。医師による降圧剤選択の意図なんかもわかるようになるかもしれません。
ちょっと自分でも一回の発表にしては情報量が多かったとは思いますが、発表含めてやりきりました。
”当たり前”のその中身にも興味を持ってみることも、面白い。
そう常日頃感じていますが、今回まとめて、発表するといったことを通してまさにそれを感じられたと思います。
最後まで見ていただき、ありがとうございます。
文責:竹内理人