Act.19「6分間歩行試験」定期勉強会2016.11.27②

 

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今回、「英論文を読む習慣をつけよう」をテーマに6分間歩行試験におけるステートメントをまとめ、発表しました。私達は臨床でよく運動耐容能の評価に6分間歩行試験を用いることが多いと思いますが、試験の特徴や推奨されている方法など詳しく学ばれた方は少ないのではないでしょうか?この機会に是非、一度特徴や推奨されている方法について整理して頂けたらと思います。

 まず、はじめに運動耐容能の客観的評価に6分間歩行試験(以下6MWT)、SWT、心肺運動負荷試験(以下CPX)などがあります。この中でも6MWTは特別な機器、設備を要せず、簡便に行うことができるため、多くの施設で行うことが可能です。しかし、あくまでも6MWTにより得られた結果は組織の統合的な反応であり、運動の制限因子を特定することは困難であるということに注意が必要です。また、6MWTの結果が反映するのは最大運動耐容能ではなく、亜最大運動耐容能である場合が多いことも念頭に置いておく必要があります。最大運動耐容能を評価したい場合はCPXを用い、リハビリや薬物の介入効果を検証するために6MWTを用いるなど目的をしっかり持って評価法を使い分けるようにしましょう。

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 6MWTは循環器・呼吸器疾患を中心に実施されており、ステートメントでも中等度〜重度の心疾患・呼吸器疾患患者の薬物介入における効果をよく反映するとされています。禁忌としては数ヶ月以内の不安定なや心筋梗塞が挙げられますが、安全性が高いことも特徴です。実際に数千人の高齢者や心疾患・呼吸器疾患患者を対象に行った結果、有害な事象は発生しなかったとの報告もありますので、できる限り治療介入早期に行い、介入効果の検証に役立てると面白いと思います。

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 さて、ここから6MWTの方法についてお話していきたいと思います。普段は訓練室、もしくは病棟廊下にて実施することが多いと思いますが、コースの長さや直線・円形コースの違いによっても6MWDが変化することをご存知でしょうか?短いコースほど方向転換の回数が増え、6MWDが短縮するとされています。ステートメントでは100ftの廊下で行うことが推奨されていまが、50-164ftの長さであれば6MWDに有意差は認められなかったとの報告もあるようです。また、円形と直線コースで比較した報告では平均で92ftも6MWDが異なるとされており、今後試験を実施する時や文献抄読を行う際はコースの形状にも注意してみてください。このように6MWTは環境に左右されやすい試験であるため声かけの言葉も決まっているようです。声かけや評価すべき項目については図を参照してください。

 

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 介入効果の検証時に簡便に行える6MWTですが、どの程度変化したら改善とするのかという報告が乏しい現状があります。重度のCOPD患者を対象とし、70m以上の変化を改善をした報告がありますが、まだまだ追求していく必要があるようです。患者さんへのFBとしては1mでも延長すれば改善したように声かけしてしまいますが・・・笑

 以上の点を今回発表させて頂きました。普段特別注意することなく、ただ訓練室を歩いて頂き、ただバイタル・自覚症状を聴取して評価していた自分を見つめ直すいいきっかけとなりました。また随時、興味深い英文献があれば紹介し、読む習慣を身についていけたらと思います。

文責:田中康友