Act.20「フィジカルアセスメントー復習会ー」 定期勉強会2016.12.13
こんばんは。
佐藤大造です。
第22回ActionのSkype勉強会の
報告をします。
今回は、12/2に講演していただいた、
「フィジカルアセスメント」
の復習会を
発表させて頂きました。
その内容を報告致します。
講演内容のポイントを
ピックアップして
書かせて頂きますので、
よろしくお願いします。
なぜアセスメントが重要か?
など既往歴の書き方が
曖昧な場合が多いと思います。
また、呼吸・循環器疾患は
不整脈や冷感など
目に見えないことが多いです。
そのため、見える形で
評価することが大事となります。
循環器・呼吸器に有効な
アセスメントとして、
一般的に血圧、心拍数、呼吸数、体温
が挙げられます。
今回は、血圧・呼吸を評価する際の
重要なポイントのみ
記載させていただきます。
血圧
血圧測定の際のポイントとして、
・測定は基本的には同肢位で測定する
・心機能低下患者に対しては、
左上腕で測定した方が良い
といった点がポイントになります。
では、心機能が低下した患者が
なぜ左上腕で測定した方が
いいのでしょうか?
心臓から出た上行大動脈が
大動脈弓で分岐し、
左上腕へと向かうまで、
分岐が3回あることは
図を見て頂くと分かると思います。
右と左で分岐する回数が
異なることで、右より左の方が
血圧が低いことが多く、
心機能低下患者の血圧測定の際に
指標となることがあります。
呼吸
呼吸に関してですが、
呼吸のアセスメントとして
呼吸数・休止期・強弱・音の性質・音の高低
など様々あります。
その中でも、休止期を見ることが
非常に重要です。
一般的に吸気終末に
休止期(ポーズ)があります。
休止期の特徴としては、
「喋れない」ことが多いそうです。
評価の一つの知識として
得ておく必要性はありそうですね。
また、呼吸を止めていても
肩は動いてしまうことが多いため
肩の動きだけではなく頸部・胸部の動きで
呼吸の評価をすることが重要です。
そして、その他にも
パルスオキシメトリー、チアノーゼ、
貧血、浮腫、脱水
など様々な評価の指標があります。
パルスオキシメトリー
そもそもパルスオキシメトリーとは、
血液の赤い光を感知していることが重要です。
動脈血の中のヘモグロビンは
酸素を運ぶため、鮮紅色となります。
そのため、冷えなどの末梢循環不全や
静脈怒張の亢進による静脈血の拍動の誤感知
など、測定結果には影響する因子があります。
22枚目
重要なのは、
「末梢にどれだけ酸素を運搬できているか」
と言うことですので、数字のみで判断せず、
測定結果が何を表しているかを
しっかりと考える必要があります。
チアノーゼ
チアノーゼとは、
血液中の青色色素(還元ヘモグロビン)の絶対量
が2.38g/dlまで蓄積すると出現します。
つまり、血液中のヘモグロビンは
一定量含まれていますが、
酸素と結合しているヘモグロビンの量が
少ないということです。
メラニン色素が少ない部位である
口唇、鼻、頬、耳、手指、足尖
などに観察されます。
貧血
貧血とは、循環赤血球数の異常であり、
失血、溶血、造血機能の低下
が関与しています。
貧血と立ちくらみをよく一緒にしてしまう
人が多いと思いますが、
定義としては全く異なるため、
その違いを理解する必要があります。
貧血の定義としては、
血液中のヘモグロビン濃度が
減少している状態のことです。
そのため、体温低下や末梢循環不全
などの症状が伴いません。
貧血の評価部位としては、
顔面・爪・手掌・舌などがあります。
血中のヘモグロビン濃度が減少すると、
顔面・爪・手掌・舌
が赤くなくなり白く見られます。
また、黒人の人の手掌も、
白人と同じで白いことが
特徴として言われております。
これは、手掌や足底などは
メラニン色素が少ないことが
理由であるそうです。
そのため、人種に関わらず貧血症状の評価として
手掌を見ることは良い指標であると言えますね。
上記のチアノーゼと貧血の関係性ですが、
貧血状態ではチアノーゼ反応が
出にくいと言われています。
貧血ではヘモグロビン濃度自体が
低下するため、還元ヘモグロビン濃度も
貧血では低下してしまい、
チアノーゼ反応は見られにくくなる
ことがその理由です。
脱水
また、脱水は夏に起こるイメージが
ある人も多いと思いますが、
冬こそ脱水に注意する必要があります。
その理由として、外気が乾燥すると、
不感蒸泄(皮膚、粘膜、呼気などから
意識しないうちに失っている水分)
が増え、いつの間にか水分が
失われていることが多いです。
喉が渇かずに水分の摂取量も
少なくなるため、冬の脱水は
起こりやすいです。
”冬→乾燥→脱水→脳梗塞”
のケースも多く見られるため、
冬での脱水は注意する必要があります。
まとめ
・急性期はもちろん、
正確に行う必要がありますが、
既往歴が曖昧で症状が安定している
と思われがちな回復期や生活期では
特に、しっかりとアセスメントを
することが重要
・患者さんの言葉に隠れている
症状の1つ1つを丁寧に整理する
ことが必要です。
「今日は何か調子が悪い」
という言葉の意味をしっかり
評価することが大切です。
文責:佐藤大造